ふいちゃんの中国日記

仕事編

食堂

2006年7月30日

信じられないようなことが起きた。
夜勤者用に22時の休憩時に食堂で食事を供給していたのが、突如停止された。
事前に何の連絡もない。
どういうことかと調べてもらったら、「利用者が少ない。規則では利用者が10人以下になったら食堂を開かなくてもいいことになっている。」と管理担当者は平気な顔をしている。

なぜ、食事をする人が減ったのか、なにか原因があるのではないか、とか考えそうなものだがそういう発想はまったくないようである。
規則は一種の標準書であって仕事がし易いように会社が作ったものだから、運用していくなかで不具合があれば会社で変更すればいいだけの話である。

工場の近くには売店などない。
ましてや、日本のようにコンビニ店が24時間営業やっているわけでもない。
その夜、夜勤者はひもじい思いをしただろう。
利用者のことを全く考えていない。
供給を停止するなら停止するで、事前に連絡があって然るべきである。
この食堂管理者には「後工程はお客様」という意識はまったくないのであろう。

とりあえず夜勤者には各自夜食を準備してもらって、食事が供給できるように動いた。
1週間かかってようやく弁当を供給できるようになった。
当初、夜食用に現金を渡すことも検討したがこれは止めることにした。
なぜなら、現金を渡すとそれを使わないで夜食を食べない夜勤者がでてくるからである。
健康管理上、弁当という現物で渡すのがいいという判断である。

ついでにアンケート調査を実施した。するといろいろな問題点がわかってきた。
1)この2年間、朝食は全く同じメニューである。
2)夜の副食は昼の残りもので、足りないときだけ新規に作る。
だから、昼と夜とで全く同じ副食が頻繁にある。
22時のおかずは夕食の残り物である。
3)朝食のおかゆは夜の残りご飯で作っており、しかもごはん粒が数えられるくらいにしか入っていない薄いおかゆである。
等々。

要するに、食堂管理者や調理者には利用者においしいご飯を食べてもらいたいなどという気持ちはないということであろう。
作る方も出来るだけ手を抜くことを考えている。
創意工夫の精神が欠如している。愛情がない。

管理者を呼んでアンケート調査結果を説明した。
わたしがアンケート調査するなど思いもかけなかったようである。
「あなたも朝、食事をするでしょう。2年間毎朝毎朝同じ内容だったら、あなたは平気ですか。昼と夜、毎日毎日同じおかずでもあなたは我慢できますか。」

管理者からは何の返事もなかった。
しかし、この管理者も馬鹿ではなかった。
その日の夜食からメニューが変わった。
創意工夫と愛情があれば同じ予算でも内容は変えられるのである。