ふいちゃんの中国日記

仕事編

ちぐはぐ

2006年8月4日

朝、大連開発区内のある会社へ電話した。
営業訪問のためのアポ取りである。
規模の大きいところはたいてい自動交換になっていて、代表を回すとテープの声が聞こえてくる。
初めは中国語で、直訳すると「内線番号を回してください。番号調べはゼロを回してください」とくる。
次いで日本語になり、「内線番号を回してください。内線番号がわからない方はムニャムニャ8を回してください」だった。

ムニャムニャの部分が何度聞いても聞き取れない。
38とも聞き取れるし、#8ともあるいは単に8とも聞こえる。
なんとも奇妙な説明である。
こっちもいろいろやってみた。
だが、どれもダメで、仕方がないとゼロをまわした。
中国語では“査号、請抜零”と言っているのだから絶対にゼロでいいはずなのである。
ところがこれも毎回“占線”の返事ばかりで一向につながらない。

2時間ほど間を置いてまた挑戦した。
どうしてもその客先と連絡をとる必要があったからである。
おかしなことに今度は「内線番号を回してください。内線番号がわからない方は318を回してください」と明瞭に聞き取れるのだ。
あきらかに吹き込み内容が変わっている。
早速318を回した。
返事が来た。つながったのだ。男の渋い声である。
だが、「総経理の○△です」と言うではないか。
たまげたぞ。総経理へつながったのだ。

まさかときょとんとしながらも、ようやっとつながった電話なのでこちらも必死である。
「番号をまちがえたかもわかりません。副総経理の×□さんの内線番号は何番でしょうか」と食い下がった。
さすがはその会社を代表するだけのことはある。
丁寧に教えてくださったのだ。

結局、その日の午後面会することができたのだが、あきらかに中国語の案内と日本語の案内が違っているのだ。
しかも日本語の内容も短時間で吹きかえられている上に総経理の内線番号が案内されているなど、おかしなことばかりの会社である。

この案内の吹き込みを担当しているのは女性の通訳だろうと思うのだが、彼女はかなりいたずらっ気のある娘さんでないかと思う。
総経理は「よう、いろいろな電話がかかってくるなあ」と奇妙に感じているのではあるまいか。
じつはこの総経理は新任の総経理で、まだ、赴任1ヶ月ちょっとと聞いている。

 【註】
   査号、請抜零 chahao,qing bo ling チャアハオ、チーンボーリン
                     番号調べはゼロを回してください。
   占線 zhanxian ジャンシエン ふさがっています。
   総経理 zong jingli ゾーン ジンリイ 社長