ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

裸文化

2006年9月6日

そういえば、わたしの生まれ育った田舎は亜熱帯に属する地域であるが、小さいころは夏になると上半身裸で歩いていた大人を見た記憶が残っている。

ここ大連では夏になると男の上半身裸は日常的に見かける光景である。
街なかを裸で歩いていることから察するに、公安からのお咎めはないのかもしれない。
大勢の人ごみの中の裸(上半身)というのは日本人のわたしには異様に映るが、近くを歩いている男も女も誰もがなんでもないようにごく普通に歩いているのを見ると、恐らく昔からそういう裸文化が日常生活として息づいていたのであろうと思わずにいられない。

そういう背景があるせいか、ものすごい身近に裸が出現するので驚くことがある。
たとえば夕方、上半身裸のままで外から帰ってきて工場の中へ入ってくる。
あるときは守衛室に上半身裸の守衛が平然と座っていたりする。
本人たちは何の違和感もなく、当然の如くふるまっているのであろうが、さすがにこれはいただけない。

中国風にいうとこれは非文明ということになる。
自分の家とか自分の部屋とかの私的な空間であればなにもいう筋合いではないが、とりわけ会社の窓口である受付室に裸で座っているとか、工場の中を裸で歩いているとかは許容するわけにはいかない。

特にわたしたちの工場は日本人のお客様がよく来られるので、裸で受付をするなど言語道断である。
これは躾の問題であるので、方針として工場の中、受付室は裸禁止令を出した。
一応説明はしたが、当の本人たちにしてみれば、暑いのになぜ裸でいけないのか理解しがたいことかもわからない。

だが、これは方針の問題である。
このような裸文化は許容するわけにはいかない。
まさしく「方針の下に犠牲あり」である。