ふいちゃんの中国日記

社会編/公共

国慶節は銀行両替も7連休

2006年10月7日

旅行から帰ってきて手持ちの人民元が底をついていた。
買い物にも支障が出る有様である。
10月5日、銀行へ両替に行った。最近行くのは「華夏銀行」。
なぜなら、ここは他の銀行よりわずかだが交換率がいいからだ。

正面入り口のシャッターが半分下りている。
イヤな予感がしたが幸い、左の押し戸は開けるようだ。
中を窺うと5〜6人の客らしい人の姿が見える。
銀行は開いているのだ、やれやれ助かった。

だが、中に入ってみると頑丈に仕切られたガラス戸の向こうには、いつもいるはずの行員の姿がない。
ただ一人の行員が窓口で忙しく対応している。
客が順番待ちして並んでいる。
見ているとお金を引き出している様子がわかる。
若い娘さんが大声で「3000取銭」と言って通帳をガラスの下に開いている孔へ入れている。
その声は「わたし、3000元も引き出すのよ」といった雰囲気である。
たしかに3000元は大金なのだ。
開発区の工場に勤める娘さんたちの平均給与の4か月分なのだから。

ふーむ、まずい雰囲気だな。
行員がたった一人ということはひょっとしたら両替ができないかも知れない。
順番待ちして自分の番になったときに、両替は出来ませんと言われては癪である。
そこで前の人に「すみません。ちょっと質問させてください」と断って、たった一人の行員に聞いた。

「両替はできますか。」
「今天換不了。」(きょうは両替できません)
「じゃあ、あしたはできますか。」
「明天也換不了。」(あしたも両替できません)
「すると、いつできるのですか。」
「8号可以換銭。」(8日は両替できます)

日本だったら、客は何を知りたいかを察して、最初から「両替は8日からになります。」などの返事が返ってくるところだろうが、質問したことにしか返事が帰ってこないのはいかにも中国式である。

1日〜3日の法定3連休であれば納得できる。
世界の為替市場は動いているのに「なんで7日間も両替できないのか」と言いたくなる。
下手すると飢えてしまうことになるではないか。

これからも中国が国慶節に両替7連休を堅持するかあるいは3連休で終るかだが、銀行間の競争を考えた場合、わたしはそう遠くない将来、7連休などという客無視の営業形態は段々となくなっていくのではないかと見ている。

 【註】
   3000取銭 sanqian quqian サンチエン チュウチエン 3000元お金を引出す。
   今天換不了 jintian huan bu liao ジンティエン フアン ブ リアオ
   明天也換不了 mingtian ye huan bu liao ミンティエン イェ フアン ブ リアオ
   8号可以換銭 bahao keyi huanqian バーハオ コーイイ フアンチエン