ふいちゃんの中国日記

自然編/気候

11月15日は冬の始まり

2005年 11月 20日

 日本では晩秋。西の地方はまだ霜も降りていないだろう。しかし、大連では11月15日が冬の始まり。10月の中旬、歩けないほどの強風が2日間吹き続き、朝、路上の水が凍って真冬到来かと思われるほどの寒さが襲ったあと、しばらく小康状態が続いていた大連も今は全くの冬。この日から各家庭に大連市集中管理方式の暖房スチームがはいる。だから、大連の人々は11月15日から冬と言っている。もちろんスチームは有料。
 しかし、わたしの部屋は暖房用のパイプが居間、寝室、トイレの3箇所あるのがわかっているのにまったく暖かくない。手で触ってみても暖か味がまったくない。つまり暖房されていない。工場の事務所は15日から暖房スチームが入りだし、暑くてしようがないのにわたしの部屋は外と同じくらい寒い。17日になって勤務先の担当部門へ「暖房はどうなっているのか」尋ねた。どうやら金を払っていないらしい。いまの中国はなにごとも金次第。金を払わなければ電機、水道、ガスはすぐ止められる。病気になっても先に金を払わなければ何の治療も施してもらえない。2〜30年前の中国はこうではなかったらしい。経済発展が叫ばれ実際に経済が発展し始めたころから変わったと中国人の友だちがいう。「向前走」が「向銭走」に変わった頃からだそうだ。(参考:前と銭は発音が同じ。「前へむかって進もう“経済発展”」が「銭へむかって進もう“拝金主義”」と揶揄された)
 勤務先の工場は翌日、金を払ってくれた。それで「あしたから暖房がはいる」というので期待していたが全くその気配はなかった。二日後、また工場の担当部門へクレームをつけた。「暖房はどうなっているのか」と。答えは「3日以内に入ると言っていた」だった。だが、二日目の夜も暖房はなく、三日目もなかった。きょうもダメかなと半ばあきらめていたころ、夜の8時過ぎになってドアをノックする声が聞こえた。担当者が階段の踊り場の横の壁にあるバルブを開けに来てくれたのだ。バルブを開けると真っ黒な水がでてきた。しかし、係員はその真っ黒な水を受ける容器を持ってきていない。わたしになにか受ける容器を貸せという。しかたがないのでプラスチック製の容器を貸す。しかもその排水を捨てるのもわたしの役目。都合4回捨ててようやく完了。
 だが、スチームが通るようになったにも拘わらず、部屋の中はあまり暖かくならない。パイプに触ってもみても少し暖かい程度なのであまり期待できないのだとわかった。ないよりはまし。どうやらこの冬は部屋の中でも分厚い防寒衣を着て過ごすことになりそうだ。