ふいちゃんの中国日記

自然編/気候

大雪

2005年12月5日

 2005年12月3日、土曜日だが出勤日。朝起きて外の感じがいつもと違う。すぐに雪だとわかった。この冬2回目の雪。あとで知ったのだが雪は未明から降り出したそうで、10cmほど積もっていた。迎えの車が予定通りきたので大したことはないと思っていたが、この雪は大連では大雪の部類に入るのだということもわかった。ニュースによると54年ぶりの大雪で、大連市内では多いところでは50cmも積もったという。このニュースは中国の中央電視台(日本でいうとNHKテレビに相当)で全国に流されたようで、成都にいる友人からも電話が入ってきた。寒い地域なので雪の量が多いかというとどうもそうではないらしい。海のそばだが風の流れの関係で、海面で蒸発した水蒸気は日本の方角へ流れて行き、大連ではあまり多くの雪は降らないらしい。
 迎えの会社の車はチェーンをしていない。スタッドレスかと尋ねるといつもの普通のタイヤという。事故が心配だったが多少横滑りくらいでいつもの時間に無事に工場へ着いた。だが、大連市内からの会社のマイクロバスは普段35分のところを2時間かかって8時半に着いた。なぜこんなに時間がかかったのかというと、単純な渋滞。渋滞の理由はすべての車がノーマルタイヤなのでノロノロ運転だったのだという。
 夜、帰りのタクシーの運転手の話によると、日本人の感覚では想像できないかもしれないが、じつは大連の車はほとんどと言っていいほどチェーンやスノータイヤをもっていないそうだ。車で商売するタクシーですら用意していないのだという。理由は二つあって
  ?こんな大雪はめったにない。
  ?スノータイヤは高くて買えない。
だから買わないのだという。
 夜、タクシーで帰るとき、陽のあたる道路はサラサラしていたが日陰の部分はすでに凍結していた。もう1日の最高温度がマイナスになっている大連だから、踏まれた雪は夜はまちがいなく凍結する筈。それでも滑り止めのタイヤを使わないで運転するというのは大した度胸だ。歩行者側がよほど注意しないと危ない。
 2005年12月4日(日曜日)、打って変わって朝から太陽が照っていた。しかし、まだ雪はちらほら舞っている。午後、防寒衣に身を包み買い物に出かけた。出ているのは頭だけ。外は風が強く冷たい。気温は恐らくマイナス5度を下回っているのではないか。体感温度はマイナス10度といった感じ。耳が痛い。「身を切る冷たさ」という表現があるが、今日の大連はまさにそれ。皮手袋をはめた両手に一杯の食料品を持って、耳が切れるのではないかと思うほどの冷たさの中を滑って転ばないようノロノロ歩きでアパートへ帰ってきた。これからもっともっと寒くなるという。