ふいちゃんの中国日記

自然編/気候

やはり成都は雲の下

2005年 10月 12日

 2005年10月2日、国慶節休暇を利用して久しぶりに成都へ行った。
大連の気候は日本とよく似ている。天気もよく、飛行機はずうっと太陽を浴びながら南西の方角へ一路下った。
 成都へ近づくと下は一面の雲海であった。この雲海を突き抜けるとき乱気流のせいか、飛行機はいつも大きく揺れる。今回も例外ではなかった。雲海を突き抜けたが下界の景色はまだ見えない。下にはさらに別の雲の層が広がっており、珍しく雲の層が二層になっていた。二層目の雲を突き抜けるときは飛行機はほとんど揺れなかった。雲の厚みもそう大きくはなかったようで、短時間で雲を抜けると下には山間部の農村地帯が広がっていた。
 成都へ来た客人を迎えるとき、挨拶で「きょうはあいにく天気が悪くて」というのはよく聞く言葉であるが、それを聞いた日本人は日本の天気の感覚で考えてしまうので「そうか、きょうは天気が悪いのか。それで曇り空なのだな」と勝手に思いこんでしまう。しかし、これは実はうそ。成都は太陽がでない曇り空がほとんで、たまに太陽がでると「太陽がでた!太陽がでた!」と喜ぶし、また話題にもなる。だが、太陽がでたといっても日本のような青空はまずないから、まぶしい太陽ではなくどんよりとした太陽である。成都は年中そういうところである。
 しかし、作物にとっては強烈な紫外線は不要のようで、九州ほどの面積をもつ成都盆地は昔から「天府の地」といわれてきた。作物が豊富にとれ、交通網が未発達な昔から「自給自足」の経済圏を形成してきた地域でもある。