ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

トイレの向き

2005年 11月 20日

 中国でドアのないトイレが多いのはよく知られている。特に公衆トイレではドアはまずない。ドアのないトイレでは前向きにしゃがむのもまた自然の流れ。いま勤める工場のトイレにはドアがある。だからというわけでないだろうが、このトイレは後ろ向きになっている。それは便器の形状をみれば明白。通常、水の落ち込み先に向かってしゃがむ。落ち込み先が奥にあるからこのトイレは後ろ向きで作られていることになる。一方、トイレットペーパーは右側のはるか後方にあり、トイレットペーパーを使おうとするときは右に身体をグッとひねり、後ろへ倒れるのではないかと思われるほど右手を目いっぱい伸ばさないと紙が掴めない。だから左手はまったく届かないのでいつも片手で器用に紙を切る。
 わたしが憶測するにこれは便器を取り付けた人は後ろ向きタイプで、トイレットペーパーを取り付けた人は前向きタイプで取り付けたのに違いないと思う。さらにトイレットペーパーを取り付けたとき、ドアはまだ付けられていなかった可能性すらある。つまりトイレットペーパーを取り付けた人は便器の向きなど考えず、ドアがないので前向きと即断した可能性だ。さらにこの取り付けをした人は生まれてこの方前向きが生活習慣化しており、もっとも取りやすい位置として前向きの左前(つまり後ろ向きにとっては右側のはるか後方)になんの疑いも持たずに取り付けた可能性もある。
 いずれにしてもなんとも不便な配置になっているものだ。近いうちに新工場へ引越しすることになっているのだが新工場のトイレは大丈夫なのかと心配になる。なぜなら、いま問題の工場のトイレも新工場のトイレも外の専門業者へ施工依頼するのではなく同じ社内の関連部門の人が施工するのだから。