ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

結婚披露宴

2005年 10月 18日

 当日の午後3時過ぎになって披露宴の招待状が本人から届けられた。ご当人が結婚するということは聞いて知っていたが、披露宴の招待については余りにも突然であった。仕事が山積みであったが出席する返事をした。だが、かってがわからないので、ある女性の管理者に聞いところおよそ次ぎのようであった。
?ご祝儀は今回の場合、500元でよいだろう
?ご祝儀は「紅包」といって赤色の封筒に入れ、新郎新婦の名前、「百年好合」などの祝福の言葉、自分の名前を書く
 なんせ時間がないので早速彼女に「紅包」を手作りで作ってもらった。どうやらこちらの女性はこのようなときに備えて赤い紙を普段から用意しているらしいのだ。教わったとおりに書いて、100元札5枚いれてのり付けで完成。準備完了。
 披露宴は「金馬路」の中心に近い某餐庁(レストラン)で定刻の6時に始まった。ほとんど若い人たちで、いま勤務する会社および以前勤めた会社の人たち、さらに友人関係といった感じでおよそ60〜70名であった。日本と違って司会者は新郎新婦。開始の挨拶から始まってその後、新郎新婦が各テーブルをまわってサービスするので忙しく、専用の席はないのだという。
 まず、新郎新婦が各テーブルの全員に「タバコ」のサービス。「私はタバコはやらないから」というと形だけでよいから吸ってくれという。どうやらこれは儀式らしい。男も女も全員にこれをやっていく。
 挨拶になって一番目に指名された。日本語でいうと通訳が適当な言葉に通訳してくれるので楽である。長いのは禁物。まず「おめでとう」をいい、「日本では奥さんが夫の健康管理をするのが普通だけど、中国では男はみな料理ができるそうだからひょっとしたら新郎が奥さんの健康管理をするのかもしれない。協力していい家庭を築いてください」といった按配でいたって簡単。途中で何度か笑いが起きていたから通訳がうまく言ってくれたのであろう。だからせいぜい1〜2分。挨拶はさらにもう一人。こちらはわたしよりもさらに短かった。これでスピ−チは終わり。あとは飲み食い雑談でとてもにぎやか。
 やがてステージでカラオケとなった。これもわたしが真っ先に指名されたので、たった一曲しか唄えない中国語版「時の流れに身をまかせ」を唄った。中国語の歌詞も日本語版とほぼ同じである。この唄は中国では登麗君(テレサテンの中国名)で知られている。中国語なので聞いて意味がわかるということ、さらに工場関係者には初めてのお披露目だったということもあって、つまりわたしが中国語の唄を唄えるなどとだれも思っていなかったようで、これはけっこう宴席の反応もよかった。唄っていると新郎新婦やわたしの知らない娘さんたちが花束(といってもステージに置かれている花)を持ってきたり、一緒に写真を撮ったりで賑やかであった。しばらくして、さらに一曲唄えというので吉幾造の「酒」を唄ったが日本語ということと、曲が中国では知られていないということであろうか反応はいまいちであった。これも中国語版があればまた違っていたのかも知れない。
 やがてクライマックスに達する。新郎の宣言である。「我結婚了!」(わたしは結婚したぞ!)。しかし、「今の声は小さい、もう一回言え」とか「なにを言ったかわからなかったのでもう一回言ってくれ」などとキャンドルサービスでテーブルをまわるごとに催促されて「我結婚了!」を繰返す。すると拍手をしたり、ひやかしたりの歓声があがる。
 参加者は頃合をみて三々五々退席していく。日本のようにある時間になったらこれで終わりというのはないらしい。わたしたちは8時まえに席をあとにした。