ふいちゃんの中国日記

文化編/伝統・風習

西向く侍

2006年12月4日

日本語を教えているとき生徒の一人が11月31日と言うので
「11月は31日はないだろう。」
「あっ、そうでした。」
師走になると来年のことをちょっぴり考えたりする。
「日本語を勉強するのは日本の文化を勉強することだよ」と常々説明しているので、よく脱線して思わぬ方面へ話が及ぶことがある。
「来年の干支は何だい。」干支が耳に入ってくる機会がほとんどないのでわからなくなった。
「猪。」
中国の文化が日本にそっくり入ってきているから干支は中国と日本は全く同じである。
「そうか、猪なのだ。」

「ところでわたしの田舎では1ヶ月に31日ない月を“西向く侍”と覚えるよ。」と説明。
「にしむく士。つまり、2月、4月、6月、9月、11月。だから11月は30日。」
「中国ではこうやって覚えます。」と言って説明してくれたのがこれ。
右手を握って、手の甲に関節が飛び出ているところを人差し指から数える。
飛び出ているところが31日で関節と関節との間のへこんでいるところが31日でない月。

  人差し指の飛び出ている関節        1月(31日)
  人差し指と中指の間のへこんでいるところ  2月
  中指の指の飛び出ている関節        3月(31日)
  中指と薬指の間のへこんでいるところ    4月
  薬指の飛び出ている関節          5月(31日)
  薬指と小指の間のへこんでいるところ    6月
  小指の飛び出ている関節          7月(31日)

次は左手に移る。右手と同様に握って人差し指の甲に飛び出ている関節部から数える。

  人差し指の飛び出ている関節        8月(31日)
  人差し指と中指の間のへこんでいるところ  9月
  中指の指の飛び出ている関節        10月(31日)
  中指と薬指の間のへこんでいるところ    11月
  薬指の飛び出ている関節          12月(31日)
  
もちろん、右手と左手は順序を変えてもかまわない。
肝要なところはいずれも人差し指から数え始めることで、これにより7月と8月の31日がうまく合うようになっている。
もし、指が5本でなかったらこのような数え方はできないわけで、うまくできているものだ。

ひょっとしたらわたしが知らなかっただけで、日本にもあるのかな、この数え方。