ふいちゃんの中国日記

社会編/公共

出口加工区に入れないタクシー(2)

2006年12月16日

輸出加工区は仮想外国だから、本来は入出国審査があるのが正常で、だから貨物も厳重なチェックがなされることになる。
厳密に審査をやると手間暇が膨大になるから、適当に端折ることになったらしい。
人は通行自由である。
車もマイクロバス以下の車は実質上通行自由といっていい。
本当は各区内企業が発行した「通行許可証」があれば出入り可能なのであるが実際には「通行許可証」のない車もチェックはされていない。

ところがタクシーは外観から一見してそれとわかるので、以前からタクシーだけは入国審査前に篩いにかけられていたとのことだ。
だからいまタクシーが入れないので各入居企業から不満が噴出しているが、もともと入れないのが正常状態であって黙認されていたのが異常状態だったということのようだ。

噂によると10月の国慶節前に北京からさる高官が来たとき、タクシーが自由に出入りしているのを見かけて「おい、おかしいではないか」とクレームをつけられたのが発端らしい。
それからすでに3ヶ月近くかなり厳密に運用していることになる。
かなり厳密という意味は朝7:30〜8:00ころの間はなぜか門番が立っていないのでタクシーが自由に出入りしている事実があるからである。
さすがに通勤時間帯は気を利かして門番がいないのであろうとの噂である。
さらにタクシーも時々昼間に目を潜り抜けて区内に入っているのを見かけるからである。

多くの人が期待している。
あと数ヵ月したらこれまでのようにタクシーの出入りも黙認されるようになるのではないかと。
実際、入り口でタクシーを降りて20分〜30分も歩くのは空身ならともかく、かなり重いかばんを持っているときなどはけっこうきつい歩きになる。
特に寒い冬の夜は尚更だ。
さらに外部からお客さまが来られたときは入り口まで迎えの車を手配しなければならないなどの面倒さがある。

本当に厳密にやるなら、きちんと体制を整えて審査してタクシーも区内へ入れさせればいいではないか。
実際、無税で入ってきた区内にある物品がタクシーで区外へ持ち出されるなどほとんど考えられない。
夏に区内で発生したマンホールの金属製蓋がそっくりなくなった盗難事件など、あんなに重くて大きなフタが大量にまさかタクシーで区外へ運び去られたわけではあるまい。