ふいちゃんの中国日記

仕事編

電話番号を知らない

2007年1月30日

仕事ができない人に共通しているのはできない理由を得々として説明することであろう。ある製品の注文を受け、3ヶ月に渡って試作をすすめてきたのであるが、量産試作を行う段階の1週間前になって、本来作っておかなければならなかった切断金型がはなからないことに気がついた。本来切断金型は3種類作っておかなければならなかったのである。技術責任者の言によると、受取った実物サンプルは2種類だったのでもう1種類は作らなくてもいいと思っていたというのである。しかし、図面上3種類の形状が明記されているのだから言い訳にならない。100%こちら側のチョンボである。

最近入社した技術課長に至急金型メーカーと折衝して切断金型を作るよう指示した。ところが技術課長は金型メーカーのS部長と折衝した結果、金型納期に2週間かかるので納期に間に合わせることができませんと言ってきた。こんな段階であっさりとできない結論をだされては困るのである。納期を守るために何をすべきかという発想が欠けている。

外部から招聘した人材は具体的な問題に直面するまで、その人の資質、仕事に対する姿勢などなかなか分りにくいものである。しかし、ひとたび具体的な問題が発生するとその処理の状況を見ることにより実力が透けてくる。

これでは客先の要求に応えることができないのでS部長の上司のQ総経理へ至急相談しなさいと指示したら、なんと「Q総経理の携帯電話番号を知らないからできません」と言うのである。あきれてしまうとはこのことであるが、そういう人物を採用したこちら側にも責任がある。電話する気があれば電話番号を教えてくれと言えばいいのである。

とにかく急を要する事態なのでわたしが直接、Q総経理へ電話して状況を説明し対応を依頼することにした。結論はすぐに出た。技術屋のQ総経理の判断は明確であった。順送金型のパンチ部分を改造すれば2日でできてしかも費用も最も少なくてすむ、というのである。これなら納期に間に合わせることができる。対応にメドがついてとりあえず一安心であるが、別の問題もかかえてしまった。