ふいちゃんの中国日記

観光編/大黒山

大黒山・炕(オンドル)

2007年4月6日

「炕」というのは中国の北方に特有の暖房方法である。かまどで火を焚いてその熱をパイプで送ったり、あるいは「炕」の真下にかまどを設置して直接火を焚いて暖めるなどいろいろあるようだ。

絵で概略説明してくれた話によると床の下に石を置き、その石を火で暖めて熱を蓄積する。石と床の間の構造がどうなっているか、詳しいことはわからない。少なくとも直接接っしていることはないだろう。石は熱容量が大きくて一度暖めると放熱に長時間かかるために長持ちするようだ。

この「炕」の上がベッドになっていたり、あるいは居間の下がそっくり「炕」になっていたり、いろいろあるとのこと。大黒山を下山するとき「朝陽寺」口へ降りた。ちょうど昼時なので食堂を探した。だが、まだ季節が早く、「朝陽寺」の駐車場近くの道の両側にあった6〜7軒の食堂はまだ営業していなかった。中に人がいたので交渉して作ってもらうことになった。

待っている間、寒いのでちょうどこの店の家族が寝室兼居間に使っていると思われる部屋が暖かかったからそこに上がって待つことにした。つまり、この部屋の床が「炕」になっていて熱いところはじっと座っていられないほど熱かったのである。よく見ると下にかまどがあってそこで直接薪を燃やしたあとがあった。

写真はただのかまどみたいだが奥が深く中の構造まではわからない。かまどの近くでは熱すぎてじっと座っていられないほど熱かったが、かまどから少し遠くなると床の温度が下がって長時間座っていてもちょうどいい暖かさになっている。こういう構造のベッドというのは柔らかい暖かさで、ぐっすり眠れるのではないかと思われる。

浅学にして知らないが、日本でも寒い地方ではこのような暖房が実際に使われているのかも知れない。

【註】
  炕 kang カン オンドル