ふいちゃんの中国日記

仕事編

23歳は晩婚?

2005年11月30日

 工場に掲示板がある。現在勤める会社では社内の回覧などの仕組みはまったくなく、全てがこの掲示板で行われている。これはこれで便利ではある。ちょうど食堂へ行く途中にあって、食べ終わって職場へ戻るとき必ずこの掲示板の前でいつも立ち止まって見ることにしている。よくあるのが罰金の通知で、誰々がこんなチョンボをしたので罰金200元とか、客先での対応が悪かったので罰金100元とかさまざまである。罰金に関する規定書はなく、ただ、最高経営者の判断できまるのだそうだ。
 わたしの職場でも仕事中に携帯電話をしていたので罰金50元というのがあった。「就業規則第何条の規定により」と但し書きがあったので就業規則を読んでみたが罰金の額に関する表現は見つからなかった。また、仕事の指示をして帰ったのにそれをしなくて不良がいっぱい出て、損失金額が大きかったので誰々は罰金100元というのが職場の掲示板に掲示されたこともある。そういうとき、罰金は給料から差し引かれることになる。50元とか100元は日本の金銭感覚では大したことはないと思うかもしれないけれど、初任給20万円の大学卒の新人がチョンボをして罰金4万円というふうに考えてみるとその重さが実感できる。
 最近こんな掲示がでた。結婚に関する特別休暇の制定である。
(1) 工員は結婚のとき中国の法律に照らして3日の休暇を与える。
(2) 晩婚(男:満25歳、女:満23歳)の工員は結婚奨励のためさらに7日間の休暇を与える。合計10日間。
(3) これらの休暇は有給休暇とする。
一人っ子政策の影響もあり中国では20代後半で結婚する人が多いと聞いていたが、それにしても23歳で晩婚とは普通言わないだろう。23歳の結婚は日本人の感覚では晩婚ではなく、むしろ早い方ではなかろうか。
 しかし、「晩婚の工員の結婚奨励のため」と表現しているが、言葉の裏には晩婚を奨励しているという意味も感じ取れる。つまり、男は25歳以上、女は23歳以上で結婚しなさいと。そうすれば合計10日間の特別有給休暇を与えますよと。どうも意図しているところはこちらの方ではないのかなと勘ぐってしまう。「工員の晩婚の結婚奨励のため」と語順を替えると、晩婚の進めが露骨になるので婚期が遅れている工員の結婚奨励という表現にしたのか、とにかく微妙な表現である。