ふいちゃんの中国日記

文化編/感覚が違う?

峠

2007年7月13日

日本で作られた漢字が約1000字あって、いくつかは中国に逆輸入されているということを以前書いた記憶がある。ときどきいたずら半分に「峠」という字を中国人に見せてこの「字は何と読みますか」と聞いてみる。全員が知らないと答える。

それは当然で、これは日本発の漢字で、中国にはない漢字だからだ。絵を描いてここが「峠」だよと説明して、ついでに中国語では何と言うと尋ねる。人によって多少違うが大体「山頂」と書く人が多い。

「峠」は?山道を登りつめた、上りと下りの境目の所?ものごとの勢いの、いちばんさかんな(たいへんな)とき、とある。出典は20年ほど前に買ったカシオの電子手帳であるが、今となってはどこの出版社の辞典が入っているのか、それすらもわからない状態なので単にカシオとだけ書いておく。

推測だが、この字ができた当初は?の意味だけで、そして形状から?の意味が追加されたのではないだろうか。日本語の山頂は峠とは少し様子が違うように思うのだが、中国人にとってはそんなに細かく区別する必要はないということであろうか。

日本人のわたしから眺めるとこの「峠」という字は表意文字としては傑作のひとつにいれてもいいのではないかと思っているのだが。つまり、山の上りと下りを分ける所。中国がこの字を逆輸入しなかったのは「山頂」で充分と判断した結果であろうか。

【註】
山頂 shanding シャンディーン 山頂