ふいちゃんの中国日記

生活編/気をつけよう

人の性格は変えられない

2007年8月30日

日本と違って自己主張しなければ個人が埋没しかねない中国では、小さいときからそういう環境下で育っているせいか、とにかく自己主張が徹底している。しかし、この自己主張には2種類あるように感じる。

ひとつはとにかく何が何でも自分が正しいと主張する人。従って自分と違う行動パターン、思考パターンの他人に対して徹底的に戦って自分の思い通りに動かしたいタイプで、分類すると「自惚れ型」といえる。こういう人の周りではいつも揉め事が絶えない。とくに新しく入ってきた人に対して顕著に現れる。

普段はおとなしくて協調性もすばらしいが、自分の立場を守らなければならない状況になると、はっきりとそしてえっ、この人が思うような自己主張を始める人。こちらは正統派「自己主張型」といえる。

自惚れ型の人は気が短くしょっちゅうかっとなる場面が出現する。中国語ではこういう人を「脾気不好」というが、おもしろいことにこの種の人は皆「我脾気不好」と自覚しているということである。「あ、また短気を起こしてしまった」と反省と後悔とを繰り返すのであるが、いつの年齢になっても治ることはない。自分でコントロールできないということである。

中国語ではこういう「人の性格は変えられない」ということを別の言葉で表現している。平易な表現は“人的性格不能改変(人の性格は変えられない)”で、これはほとんどの日本人が見て意味が理解できるであろう。

“江山易改、本性難移”。 これは少し説明が必要かと思う。“江山”は“山河”のことであるが、国家または国家の支配権の意味もある(小学館:中日辞典)。つまり、中国は過去、唐、隋、元、秦、明、清など、国という大きな組織すら簡単に改まるのに対して、人の性格は移るのがむずかしい。つまり、それほど人の性格というのは変えられない。

汚い表現では、“狗改不了喫尿(実際は水の変わりに米)的本性”がある。喫の次の字は日本語にはないので説明すると、尿の水が米にとって変わった字である。意味は大便、くそ、糞である(小学館:中日辞典)。

田舎で犬を飼ったことのある人は犬が道端にある糞を食べる習性があることを知っている。人間から見るといかにも汚いのであるが、どんなに叱ったところで犬はその習性が改まることはない。“狗”は犬、“喫”は食べるである。つまり、犬はくそを食べる本性を改めることはできない。

人の性格もそれと同じで「人は性格を変えることはできない」ということを説明している。

【註】
人的性格不能改変 ren de xingge buneng gaibian レン ダ シンガー ブーノン ガイビエン
江山易改、本性難移 jiangshan yigai bensheng nanyi
唐 tang タン 唐朝
隋 sui スイ 隋朝
元 yuan ユエン 元朝
秦 qin チン 秦朝
明 ming ミン 明朝
清 qing チン 清朝
狗改不了喫尿 gou gai buliao chi shi ゴウ ガイ ブ リアオ チーシー