ふいちゃんの中国日記

社会編/治安

押運

2007年9月14日


“押運(yayun:ヤーユン)”というのは「(金品・貨物などを)護送する;監視役をつけて荷物を運搬する」という意味である(小学館:日中辞典)。大連開発区では出勤時などに毎日のように“遼寧押運”と大書きされたワゴン車を目にすることができる。

分かりやすくいうとこれは現金輸送車である。この車はある銀行の裏口の前に停まっている。中国の現金輸送はものものしい。しかし、これが正常なのかもしれない。中国方式だったら、もう何十年か前に日本で発生した3億円事件は起きなかったかもしれない。

ある日の出勤時、時間は朝の7時10分ころである。いつも通る道を通ろうとしたら、行く手にこの現金輸送車が停まっていて、前後を警護員がそれぞれ5人ずつ警護している。やってくる人を見つけると30mほどの距離のところから手で通さないという合図をしてくる。

不思議に思って一瞬立ち止まったのだが、意味がわからないのでさらに5〜6m前進すると激しく手で駄目だ駄目だと合図してくる。よく見ると銀行の裏口からこの車まで4〜5mの距離なのだが、そこに銃(ピストルではない)をかまえた警護員(実はこれは軍から派遣されている)が3名いて、2名が北側を1名が南側を警護しているのがわかった。

銀行員と思われる恐らく10人以上の人がこの銃を構えた警護員の間をせわしく往復して袋状の物を運んでいる。車への搬入が終ると警護体制が解かれ、銃をもった警護員が車に乗り込むと車はさっと出発して行った。直後に往来禁止が解かれた。そして袋を車へ運んだ人々は近くに停めてあったマイクロバスに乗り込んでどこかへ行ってしまった。

制止を無視して進んだら現金強奪とみなされて発泡された可能性がある。このように中国では銃をもって現金輸送車を警護している。日本もこういうところは見習っていいのではないか。