ふいちゃんの中国日記

生活編/大連カラオケ事情

旗袍とカラオケお嬢さん

2005年12月12日

 「旗袍」は「チーパオ」と読み、チャイナドレスのことである。北京語ではどちらも「2声」で、上あがりに発音するが、開発区では「袍」を「3声」(下がって上がる)や「4声」(下さがり)で発音している。中国伝統の衣服であることはよく知られているけれど、日本の着物以上に街なかで見かけることはまずない。どこでよく見かけるかといえばレストランやカラオケである。カラオケお嬢さんの着ている衣服はすべて自前だそうで、曜日によって種類を変える。たとえば、

   月曜日   洋服 (礼装)
   火曜日   旗袍 (チャイナドレス) 
   水曜日   夜会服(イブニングドレス)
   木曜日   旗袍 (チャイナドレス)
   金曜日   夜会服(イブニングドレス)
   土曜日   旗袍 (チャイナドレス)
   日曜日   自由

といった按配だ。一般にカラオケ店は休日がなく、夜は6時半ころから店が開き、カラオケお嬢さんに言わせると客がいれば12時でも深夜の1時でもやっているというが、わたしはそんなに遅くまでいたことはなく、せいぜい11時である。あまり遅いと翌日の仕事に差し支えるからだ。
 カラオケお嬢さんの給料システムは大体こうなっているようだ。基本給は1ヶ月800元。指名が入ると指名料が貰える。但し、連絡なしで店にきて指名されても4回目からでないと指名料の対象にならない。そのかわり先に電話してから店にきた場合は2回目から指名料の対象になる。そのためかカラオケお嬢さんは店の名刺に自分の携帯電話番号をよく書いて寄こす。指名してくれた客の売上げ合計が月3000元を超えるとその30%が、3000元未満の場合はその15%が指名料として加算される。馴染みの客を10人くらい持っていれば、合計売上げが3000元は軽く突破するに違いない。だから、カラオケお嬢さんの月収を聞くとどのくらい指名してくれる馴染み客を持っているかおよそ想像がつくことになる。
 もう一つは、指名の数は少ないが「客人の接待所」として専属に利用してくれる、いい筋の客をつかんだ場合だ。たとえばさる大会社の董事長とか総経理といった人の贔屓になると他の指名など不要となる。うわさによれば月の売上げが1万元の単位になり、指名料がガボッと入ってくる。そういういい筋とめぐりあったカラオケお嬢さんは自ら「客人の接待所」の私設秘書の役目を果たすようになり、夜のほうも自らとことん尽くすようになるそうだ。
 大連開発区でもそういう噂の人の名前を耳にする。これなどは若くてきれいで気のきいた現地妻がいて、ご主人が客人を招待するときにはカラオケお嬢さんへ早代わりして接待する関係になっているととらえるとわかりやすい。