ふいちゃんの中国日記

仕事編

私の仕事範囲

2005年12月16日

 12月。本来、休出しなくても納期が間に合っていい筈の製品なのにこのところ休出が多い。しかも2週続けて休出となった。生産が間に合わないということだがこれは何かあるぞとピンときた。まず生産計画担当者から今月の生産計画表をだしてもらい話を聞いた。2種類の製品はいつも納期が短いが、他の製品はどれも受注後約20日間の余裕があるのでどうにも解せない。
 生産計画のまずさもあるかもしれないが、たとえあったとしても自らそれを言い出す人などまずいないお国柄であるからなんともよくわからない。やがて成形材料の入荷(日本からの輸入品)が遅れたのが原因ということになった。そのため納期確保のため休出せざるを得ないのだという。しかも1種類の材料(POM:ポリアセタール)はまだ入ってこないということもわかった。
 次は資材部門の担当者へ聞いた。
「POMはいつ入ってくる。」
「わたしは間に合うように発注している。」
と注文書に納期10月28日と書いてあるところを指しながら平然としている。
「発注状況を聞いているのではない。いつ入ってくるかを聞いている。」
「わからない。」
「なぜわからない?」
「通関担当者の問題だ。」
「じゃあ、通関担当者へ早く入荷するように催促したのか」
「していない。」
「製造部門は材料がなくて困っているのを知っているのか。」
「知らない。」
「材料入荷が遅れているのは知っているのか。」
「知っている。」
 資材担当者は製造部門で必要な成形材料を注文して必要な時期までに購入を完了させるのが任務なのに、自分で勝手に自分の仕事範囲を、「発注したらわたしの業務は完了」と都合よく決めてしまっている。製造部門のために部材を調達するのだという責任感がまるでない。製品が売上げに立ってはじめて自分たちの給料の原資になるのだという簡単な仕組みがわかっていないようだ。
 こういう人種で会社全体が構成されていたらその会社は先が見えている。直らなければ断固として排除しなければならない。さらに拡大して、もし、こういう人種で国全体が構成されていたとしたら、そら恐ろしい結果が容易に想像できる。