ふいちゃんの中国日記

仕事編

環境対策

2007年1月24日

最近、ソニーやリコーをはじめ環境意識の確立している会社は直接、間接を問わず製品の構成材料に指定有害物質を使うことを禁じている。その為に、各構成材料についての材料証明書を要求される。この指定有害物質に該当しないという証明があってはじめて使用が可能となる。

これは日系企業では常識になっている。しかし、この常識は中国企業では必ずしも常識とは言えない。最近、ある金属部品(ローラー)の外周をウレタン樹脂で被覆する加工が必要になって某中国企業を訪問した。

使っているウレタン樹脂に話題が移ってメーカー名とグレードを聞いたら「知らない」というのである。一般に物を買うとき、生産メーカー名とグレードを指定して買うのが常識である。生産メーカー名とグレードも知らずにどうやって買うのか、不思議といえば不思議だが、とにかく知らないという。

この製品は日本へ輸出するので、生産メーカーもグレードもわからない材料は当然材料証明書が入手できないだろうから使うことはできない。もし、貴社がこの製品に興味があるなら、生産メーカーとグレードを確認してほしいと申し入れたら「調べる」という返事に変わった。

しかし、実際のところこの会社は生産メーカーもグレードも知っているはずだとわたしは勘ぐっている。職場を見学したら、金属金型に液状ウレタン樹脂を手で流しこんで作っていた。極めて初歩的な作業方法で、この方法で重要なノウハウはどのメーカーのどのグレードを使うかと、泡をどうやって製品に巻き込まないかである。

だから、老板は知られたくなくて「知らない」と言ったのであろう。生産メーカーとグレード名がわかったら、大した技術がなくてもすぐに会社を起こせるからだ。