ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

信頼性

2005年12月19日

 中国はいまや世界の生産工場になっているという話はよく聞く。外国から先進技術を導入して一足飛びに世界の技術水準へ到達し、安くていい製品を大量に生産している。だが積み上げて築き上げた技術でないせいだろうか、つまりレンガで積み上げた壁に例えれば、レンガが隙間なく詰まっているのではなく、あちこちに穴があいているということなのであろうか、全く信頼性のない製品もいまだにある。
 大連に来て真っ先にしたのは生活用品を揃えることだった。そのなかの一つが下着などを収納するプラスチック製の箱。近くの百貨店やスーパーマーケットを回ってようやく見つけたのが今使っているもので、値段は200元。4段になっておりしかも鍵が掛けられるようになっている。ようやく見つけたものがたまたま鍵方式になっていただけで鍵つきのものを探したというわけではなかったけれど、結果的には鍵つきのほうがよかった。掃除のおばさんが留守の間に月曜日〜金曜日まで毎日やってくるからである。もし、何かなくなったときお互い気まずくなる。鍵をかけてあればいらぬ心配をしなくてすむ。
 ところが9月中旬、プラスチック製収納箱の最下段の鍵が壊れてしまった。朝出がけに鍵をかけたとき、なにかネジとバネのようなへんな小部品が飛び出してきた。確かめたら鍵はかかっていたのでとにかく出勤した。夜、帰ってきて開けようとしたら、またなにかよくわからない部品が飛び出してきた。鍵は開ける右方向へまったく回らなくなっており、結局その錠は開かなくなってしまった。
 使用期間わずか45日。1日2回開け閉めするとして90回で壊れてしまったということで、実用に耐えられる信頼性がなかったことになる。はてと困ったが、3番目の収納箱をスッポリ抜き出すと最下段がのぞけるので、不便ではあるが取り出しは一応できる。しかも細かいものを取りだすときは懐中電灯を使わなければよく見えないという悪条件であるが、一応まだ役に立っている。
 残りの3個の鍵がいつ壊れるかとビクビクしている。上から3番目の鍵が壊れてときはいよいよ最下段の鍵を壊さなければならない。すでにラジオペンチ、プラス・マイナスドライバーなどは購入済でいつ壊れても対応できるように準備だけはしている。この種の錠はせめて5000回くらいの耐用性があってほしいものだ。