ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

水道検針員

2005年12月20日

 夜、会社から帰ってきたら、部屋のドアになにか紙切れが挟んである。何だろうと思って手にとって見るとこう書いてある。
“水道の検針に来たが、留守だったので検針ができない。この紙に書いてあるメーターの針が数字のどこにあるか確認して記入のうえドアに挟んでおいてください”とある。見ると直径55mmの円のなかに直径11mmの小円が左右4個ずつ外円に沿う形で合計8個均等に描かれている。それぞれのメーターで針がどこにあるかを記入してくれということだとわかった。最後に“大連経済技術開発区自来水公司営業所”と印刷されてあった。
 日本の高層マンションなどでも水道メーターは外にあるのではないかと思われるが、とにかく部屋の中にあるのだなということが理解できる。この部屋に住むようになって水道メーターなど見たことがない。一体どこにあるのだろう。とにかく部屋のなかを捜すことにした。ありそうなところといえば台所である。ここには水道もきているし、収納棚が上下に大小合計13個もあってこれまで中を仔細に見たことはない。
 その気になってみると水道メーターは簡単に見つかった。それは流しの下にあって排水管の奥の壁際にあった。台所は2つの流しがセットになっていて、下で排水管が水平に連結されており、1本の太い配水管が下方向へ伸びている。ここはとても狭いところで、メーターを見ようとしても水平連結管と垂直管が邪魔をして頭がはいっていかない。しかもメーターには蓋がしてあって、その蓋も手前側に開けるようになっており、完全に水平まで開かないからメーターの見えない部分がある。
 結局、歯科医院で虫歯をみてもらうような要領で懐中電灯と鏡を持ってきて不自由な姿勢でようやく8個の小メーターの針の位置を確認することができた。蓋がしてあった割りにはガラス表面にはごみが積もっており、これでよくこれまで針が読めたものだと不思議に思う。
 要するにこのメーターの配置は検針しやすいようにという配慮が全く欠落しているのである。作る側の論理だけで設計〜施工されているとしか言いようがない。それにしても大連に来て、日本ではやったこともないような水道の検針員の役割を与えられるとは思ってもみなかったぞもし。

【註】
   自来水 zilaishui ズーライシュイ 水道水