ふいちゃんの中国日記

生活編/健康

赤チン

2008年5月22日


5月連休に入る直前のことである。犬を散歩に連れて行こうとしたら、犬が急に走り出した。朝から犬小屋に閉じ込めていたから体力が余っていたらしい。もっと早く紐を離せばよかったものを、このくらいなら走ってついていけるだろうと思ったのが大きな間違い。 
  
けっきょく、バランスを大きく崩して前のめりに転んでしまった。両手でカバーしきれず、顔の左側を赤レンガの地面にしたたかぶつけてしまった。擦り傷どころではない。かなり広範囲にえぐられていて親からもらった顔が台無しになってしまった。メガネの縁はグニャリと変形、当然レンズはどこかへ吹っ飛んでいる。

思わぬ重症に早速病院へ行くことにした。一つは破傷風の予防もしなければならなかったからだ。えぐられた顔と擦り傷の脛下に塗られた薬はどうも「赤チン」のようなのだ。色はどうみても「赤チン」の色である。2日に1回の通院でよいと言う。

昔、日本でもこういう場合は「赤チン」と決まっていたものだが、水俣病は無機水銀が有機水銀に化学変化を起こしたのが原因ということが究明されてから、無機水銀の溶液である赤チンは使用禁止になってしまった。

二日目に病院へ行くと、顔のほうはきちんと治療してくれたが、脛下の摺り傷は全然かまってくれない。「こんな程度は放っておけばすぐ治る」で終り。しかし、まだ乾燥していないので薬局へ「赤チン」を買いに行った。ところが中国の薬局にも「赤チン」は売られていないのだ。

それで仕方なく、状況を説明してから服務員が「これがいい」と取り出して売ってくれたのが消毒液。プラスチック容器が赤色をしているのでもしかして「赤チン」と思ったのだが、実際に中の液体は黄色身を帯びていて日本でいう「沃チン」のようなのだ。

これはこれで大変効き目があってよいのだが、病院で塗ってくれたあの赤色の薬は何なのであろうか。