ふいちゃんの中国日記

社会編/現実

こんな商法

2005年12月29日

 中国の一般的な雇用形式は日本と同じように試用期間が3ヶ月で、それを経過して特に問題がなければ正社員となるのだが、ここからあとは日本と違う。正社員となるときに契約を交わす。雇用期間は通常1年とか2年になっていて、期間が満了すると再び契約を取り交わす。評価が問題なければ延長契約となるが、評価がよろしくないときは雇用者側は再契約しない。
 じゃあ、評価はどのようにするかというと日本のようにマニュアル化などはなされていなさそうだから、かなり主観的な評価になる恐れはある。客観的にすぐれた評価システムが出来上がっていたとしても、最後に判断基準に対してどうかを評価するのは人間だから、所詮、評価は主観的にならざるをえない。だからすぐれた評価システムができていないからぜんぜんめちゃくちゃな評価になり、すぐれた評価システムができているから公正な評価になる、などとは私はまったく思っていない。
 変化のあるところにこそチャンスがある。変化がなければ作り出す方法がある。自分の評価をあげるために変化を作り出して周りの人を不必要に動かし、組織全体で損して特定の個人のみが得するという構図は日本でもよく見かけることである。
 大連にあるかなり規模の大きい某会社の“員工”の契約期間はたったの3ヶ月であるらしい。この3ヶ月が終了すると全員が再契約となる。但し、会社側、というより人事担当者は簡単には再契約に応じない。再契約してほしければ何がしかの“礼物”を提出するよう要求するのだという。この“礼物”はあるときは品物に形を変えるがてっとり早いのが現金で、相場は200〜500元らしい。
 こんな発想は日本人では想像もつかないかも知れない。こうして人事担当者には員工一人当たり年4回給与外収入の道が開ける。員工が3000人とすればその金額が計算できることになる。なかには憤慨して出さないで辞めていくものもあるだろうから、単純に歩留を少なめに50%としても莫大な金額になる。だからこの会社の人事担当者はものすごい金持ちだとささやかれており、地元ではかなり有名な話として知られている。

【註】
   員工 yuangong ユエンゴン 従業員(通常は管理職は含まない)
   礼物 liwu リーウー プレゼント