ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

土

2008年7月10日

わたし達日本人は相手の話す言葉を聞くとおよそどこら辺の出身かということがわかる。例えば、関西弁、名古屋弁、東京弁、東北弁、九州弁等々。同じように中国人も話す言葉でおよその出身地がわかるという。

大連開発区のカラオケクラブというよりも開発区で働く人々で黒龍江省出身者がかなりの比率を占めている。たとえば、デパートの売り子、タクシーの運転手、床屋さん等等を実際に知っている。

地元のある女性に言わせると黒龍江省の人の言葉は「土 tu3 ツーウ」ですぐわかるという。彼女の言によると、北京弁も「土」になるから北京の人は怒るかもしれない。吉林省の言葉がもっとも「普通話」に近いという。

「普通話」が一種の人造語であることはよく知られている。東京に東京方言があるように北京にも北京方言がある。彼女に言わせると吉林以外はみな「土」である。ちなみに彼女の出身地は遼寧省の大連市に比較的近い「普蘭店 pu3lan2dian4 プーウ ラン ディエン」で、やはり「土」な地方の範疇になるのだが、本人はわたし達と話すときは「普通話」を話す。

この「土」は日本語と同じ“土、土地”以外に“その土地の、地方的な”や“昔ながらの、旧式”の意味があって、もっとわかりやすくいうと「野暮ったい、田舎っぽい」という意味である(小学館:日中辞典)。

着ている服装などにもこの言葉は用いられ、「土」といわれると「野暮ったい、田舎っぽい」で、つまり「センスが悪い」ということになる。

【註】
普通話 pu3 tong1 hua4 プー トン フア 共通語。現代中国語の標準語。
小学館:日中辞典によると、普通話とは「北京語音を標準音とし、北方語を基礎方言とし、模範的な現代白話文の著作を文法模範としたもの。」とある。なるほど、吉林省の言葉がもっとも「普通話」に近いという彼女の言葉は的外れではないことがわかる。
(白話文→口語文のこと)