ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座

粗心大意

2008年7月12日

粗心大意を日本語的に解釈すると、「心が粗雑で意識も大雑把」となる。中国語の意味もかなりこれに近い。粗心(cu1xin1 ツーシン)も大意(da4yi・ダーイ)もどちらも“不注意である”という意味で、不注意を強調した意味である。

職場で重量物(約100kg)を運ぼうとして指先が重量物に挟まれて怪我をした作業者が出た。原因の究明と対策を至急講じるように指示して、出てきた報告書に原因は“作業者の粗心大意”とあった。

“馬鹿なことを言うな”というわけでこんな“原因はあり得ない。真の原因を明確にしなさい”と差し戻した。重量物を人間の手で運ぼうとしたところにまず第一の問題点がある。この報告書は“作業者が不注意で発生したもので、私には責任はありません。」ということを言外に含めているのである。大体こういった場合、責任の半分以上は管理者側にあることが多い。

労災を発生した部門の課長に「6Sで最初にくるのは何だ。」と確認したら、答えは「整理・整頓・清潔・清掃」という。では「5番目は」と聞くとやっと「安全」がでてきた。完全に意識がまちがっているのである。

「そうではないだろう。第一のSは安全(Safety)のSだろう。作業者の安全を第一に考えるのが管理者の重要管理項目だよ。作業者の安全を犠牲にして製品を作ろうなどとは露ほども考えてはいけない。」

こういう安全意識が低い管理者は得てして4S(整理・整頓・清潔・清掃)意識も低いのである。管理者への6S教育は大変重要である。これは意識付けの問題でもある。同じ時間に、同じ場所で、同じ物を見、あるいは同じ情況に接してもある人は「6Sに問題あり、即是正しなければ」と直感し、別の人は「何も感じない」のだから、この隔たりはとてつもなく大きいのである。