ふいちゃんの中国日記

生活編/出来事

石頭

2008年円8月8日

開発区のある日本料理店に苗字が「石 shi2 シイ」さんという服務員がいる。この人は日本語がある程度話せるが、仕事上必要なメニューの名前とか注文用語以外はほとんどわからない。

しかし、全くわからない他の服務員にくらべるとダントツに日本語がわかるのでリーダー格的な存在になっている。それで、他の服務員たちは彼女のことを「石頭 shi2 tou2 シイ トウ」と呼んでいる。この意味は「頭(かしら)の石さん」ということであろう。一般服務員の彼女たちにとっては大変な尊称を表しているのである。

客の言う日本語がわからないと、すぐ「石頭!」と大声で彼女を呼ぶ。すると「石頭」が駆けつけてきて処理する。もし、日本語で「いしあたま!」と大声で呼んだら客の日本人は皆大笑いしてしまいそうだが、そこはうまくできていて、客の日本人のほうも中国語が大してわからないのだから大丈夫である。

本人も「私のことを石頭と呼んでください」というので、こちらも用があると「服務員 fu2 wu4 yuan2 フウ ウー ユエン」と呼ばないで「石頭」と呼んでいる。

一般服務員も「石」さんも日本語がよくわからないようなので、「石頭」の日本語の意味がまさか「融通がきかず頑固なこと、また、その人」の意味とは想像もしていないであろう。彼女たちの日本語のレベルがもっと高かったら、きっと別の尊称を考えたに違いないのだ。「知らぬが仏」である。