ふいちゃんの中国日記

社会編/公共

起歩

2006年1月4日

 中国のタクシーには必ずこの文字が貼られている。これは“起歩価格”の価格が省略されたもので、意味は“(車が)動き出す(価格)”、すなわち“初乗り”料金のこと。大連の“起歩”はことのほか高く、8元である。3元とか4元に乗りなれている人からみると目が飛び出るほど高いことになる。日本の初乗り料金が1300円になったと考えればおよそ感じがつかめると思う。
 ちなみに聞き知っている限りの“起歩”を記す。初乗り距離については不明。

   北京      ?
   上海      9元
   大連      8元
   成都     5元
   成都近郊   2元
   広州     6元
   合肥     4元
   黒竜江    4元
   黒竜江近郊  3元
   瀋陽     7元
   内蒙古    5元

タクシーを利用するときいつも同じ運転手を使っていると何かと便利である。料金は四捨五入でいい。たとえばメーターが8.5元〜9.4元の場合は9元、9.5元〜10.4元は10元といった按配となる。開発区から飛行場へ行く場合は片道で70元、往復で100元でよい。見知らぬタクシーだと交渉が面倒で、毎回粘り強く交渉しなければならない。タクシー間にも相場というものがあって、なじみになるとだいたいこんな具合になる。さらに空港へ人を迎えに行った場合でもなじみになると20〜30分は平気で待ってくれる。これが見知らぬタクシーだとこういうわけにはいかない。一昔前は空港から開発区まで片道120元は要求されていたから、相当ぼられていたことがわかる。
 タクシーは24時間稼動が普通で昼班と夜班に分かれる。私がいつも使うタクシーで昼班の運転手氏はかなりずぼらで、領収書をあとでみるとぜんぜん別の料金の領収書だったりする。その点、夜班の運転手氏は応対もよく、領収書もまちがったことはない。つり銭がないときは次回にまとめてもらうからきょうはいいなどという。夜班氏は夜8時ころ電話すると大連市内にいるからすぐには行けないということがよくある。最近わかったのであるが夜班氏はかなりいい固定客をつかんでいて、開発区の某大手日系企業の管理職のひとが残業で会社の専用バスに乗れなかった場合に、呼び出しがかかるのだという。開発区から大連市内まで片道60元で、これがこの間の54年ぶりの大雪のときは料金が2倍に膨れ上がったという。その大雪の日の夜、帰りの車の中でそんな話を聞いたものだから
「じゃあ、今夜はいつもの2倍の20元なのかい」と尋ねたら
「いや、いつもの10元でいいですよ」
なじみになるとこのくらいは優遇されるようだ。

 【註】
   起歩価格 qibu jiage チーブージアガー (タクシー)初乗り料金