ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

残留孤児3世の活躍

2008年8月11日

ある客先の総経理が最近会社にやってきて、そこの会社で作っている製品の部品はすべて日本から輸入している。中国生産のメリットを出すために、使用部品を現調化したいのだが、なかなかいい会社が見つからない、と言う。

ある部品は作れるという会社が見つかって作ってもらったのが、値段は半分に下がったものの、使用寿命が日本製の30%しかもたないので、結局高くついてうまくいかなかった。

2種類の図面をいただいて検討することにした。1種類は簡単に作れるが、もう一種類は技術的にいろいろ確認しなければならない項目がある。すると総経理が「私は総務畑出身で技術面はわかりません。当社の副総経理は技術担当で、中国語が堪能なので御社の中国人スタッフからも直接連絡してもらっていいです。日本語よりもむしろ中国語のほうが得意です。」と言う。

詳しく伺ってみると、この副総経理は残留孤児の3世で、吉林省出身なのできれいな「普通話」を話すという。ある技術面の確認のため、一度電話したことがある。外国人の話す日本語といった印象であったが全く問題なく技術的な話が通じた。

今このように残留孤児3世が日本で技術力をつけて中国へUターンして活躍している例が増えているようだ。というのは統計は知らないが、同じようなケースをもう一例知っているからだ。こちらは営業担当の方であったが、日本語と中国語が流暢に話せるというのは大変な強みであろう。

さらに、技術の専門家あるいは営業の専門家としての実力があれば、その中国へ進出した日系企業にとっても貴重な戦力となっているであろう。

中国語を母国語として育った残留孤児3世が日本で日本語を学習し、各分野の専門技術を身につけて再び中国で活躍する機会は今後さらに増えていくのではないか。