ふいちゃんの中国日記

仕事編

VA提案

2008年8月14日

わたしの勤める工場は競争力を高めるためにいろいろなことをやっている。一つはよそで簡単にマネができない特徴のある製品作り、二つは客先の立場に立った積極的なVA提案である。

ある客先に金型に関するVA提案を行った。もし、このVA案が採用され、年間製作予定数の半分がこの案で製作されるとすれば、少なくとも年間2000万円の金型購入費が低減できる画期的な案であった。

この案は客先にはものすごい効果がある反面、こちらには売上げが半減するというマイナス面がある。客先にまず儲かっていただきたいという発想が前提になっている。自分のことだけを考えればこんな売上げが半減するような提案などしなくてもいいのである。しかし、金型製作数が2倍になれば売上げは維持できるし、それ以上になればこちらも売上げと利益が増加するという期待が背景にある。

日本だったら100%採用されたであろうと思われたのだが、結果的にこの案は客先から採用されることはなかった。年間2000万円の純利益は仮にその客先の売上高利益率が10%だったら、売上げ増2億円に相当する価値がある。

人や原料などを増加投入しないで、ある方法に変更するだけでこれだけの原価低減できる価値があるのだから非常に効率のよい方法であったのだがーーー。原因はいろいろ考えられるが、一言で言えば、このくらい日本人と中国人とでは価値判断基準が違うということであろう。