ふいちゃんの中国日記

仕事編

起業

2008年8月16日

中国人は日本人にくらべて起業精神が旺盛である。ちょっと技術を身につけるとさっさと独立していく傾向が強い。

プラスチック製品は金型と成形機と成形材料を使って成形するが、金型そのものは一般の市販製品には表に出てこないので知らない人は知らない。

成形機と成形材料は通常、代金を払えば誰でも購入できる。通常という意味は、成形材料はメーカーが、どの品種がどういう商流でどこへ流れてどういう製品に使われているかを全て把握していて、場合によっては売ってくれないこともあるからだ。

しかし、金型には標準品というのはないから、そういうわけにはいかない。図面ごとに形状・寸法が異なっていて、1品1葉であるからだ。

中国の経済開放が南方から始まったのは周知の通りである。だから、南方には金型会社も多く、金型技術のレベルも高いと言われている。5〜6年修業して技術を習得すると独立して自分で金型会社を興す。

その結果、会社金型の数が増えすぎて供給過剰状態に陥っている。日本も経済後退が報道されている。中国は北京オリンピック〜上海万国博覧会までは好景気は続くという説をよく聞くが、情報によると実際南方では金型会社の倒産が増えているという。

倒産した金型会社や危機を察知した金型会社が南方を離れ新天地を探している。標的はどうやら北方の経済成長地である大連になっているようだ。すでに数社が大連へ移動してきており、注文を取るために安値受注を始めている。

例えば、標準的に1型30,000元の金型を20,000元で請け負うといった塩梅である。利益はなくても取りあえず注文をとって客先に食い込みながら運転資金を確保するということであろう。既存の金型会社はそのとばっちりを受けて採算が悪化している。

もともと、大連地区の金型と成形は中国の中でも激戦地区の一つと言われてきた。今後、さらに競争は激化していくであろう。すでに大連地区でもローカルの成形会社や金型会社の一部で倒産が始まっている。この傾向が続けば、大連地区も供給過剰状態に陥って倒産する成形会社、金型会社が増加していくかもしれない。