ふいちゃんの中国日記

社会編/経済

二道販子

2008年9月3日

大連近郊は果物がたくさんとれる。路上で売られている果物を見ていると、いま旬の果物は何かがわかってくる。中国の流通機構については情報源もないし、実態についてはなかなかわかりにくい。小売店にたどりつくまでにいくつの業者を経由してくるのだろうか。

農家へ直接買い付けに来るのが「二道販子 er4 dao4 fan4 zi・ アール ダオ ファン ズ」である。日中辞典(小学館)によると「ヤミ商人、ブローカー」と出ている。誉め言葉ではない。地元の人たちも「二道販子」は農家から安値で買い叩いてぼろ儲けしているようなニュアンスで言う。

だが、「二道販子」は流通機構の第二番目にいて大変重要な役割を果たしている。“一道”はもちろん農家である。「二道販子」の買値は最終価格の1割であると言われている。私たち最終需要者は農家出し値の10倍の価格で買っていることになるので、多くの人が「二道販子」は「濡れ手に泡」のようなボロイ商売をしているかのように見ているのである。

まちがいなく現金取引であるはずだ。聞いた話では一軒の農家で例えば、サクランボで1万元、桃で1万元、スモモで1万元、葡萄で1万元、その他とかいうような売上げになって1年の収入が5万元以上になる農家は多いという。

だから、「二道販子」は現金を常時10万元単位で動かしているのであろう。果物というのは傷みやすい。だから歩留も見ておかなければならない。運搬費、人件費その他を考えれば、一斤3元のスモモを0.3元で買って2.7元を丸々儲かっているわけではない。“三道”、“四道”あるいはそれ以上の販売ルートがある可能性だってある。

しかも、季節物で勝負期間はほんのわずかである。こう考えてみると1割の買値というのはそんなものかもしれないのだ。