ふいちゃんの中国日記

仕事編

挖墻脚

2008年9月14日

中国の労働人口の流動性は非常に高い。だから、10年も勤続していれば名誉社員の称号が与えられそうだ。一般の従業員で5年もいる人は5%もいないのではないか。

会社を辞める人の言い分はいくつもある。
   ? 給料が安い
   ? 室内が暑い
   ? 匂いがする
   ? 音がうるさい
   ? 仕事に飽きた
   ? 仕事を全部覚えたので別の仕事をしたい
   ? 仕事が自分に合っていない
   ? 学校の環境と仕事の環境との差異が大きすぎる
   ? 田舎へ帰る
   ? 食堂の食事がまずい

と様々な理由をあげてくる。管理職を除いて4年で100%辞めていく会社もあると聞く。離職率20%くらいはザラである。こんなことで驚いてはいけない。基準をどこに置くかである。

開発区にも人材センターがある。日本で言えば「ハローワーク」と同じような機能である。一般従業員はここを経由した募集でもまあ何とかなる。その外、人材紹介会社があって、ここは一般従業員でなく、専門職が多い。

どちらを経由する場合でも、管理職や専門職となるとなかなか優秀な人材を求めるのがむずかしい。なかには各社を渡り歩いている人もいる。それで一般公募を止めて「一本釣り」方式に切り替ようという話しをしていたら、ある人が”それは中国語では「挖墻脚 wa1 qiang2 jiao3 ワー チアン ジアオ」と言います”と言う。

辞典を調べてみると<慣>土台を掘り崩す、屋台骨をぐらつかせる;足をすくう。とある。「一本釣り」とは意味が違うのではと尋ねても、皆「間違いありません。」と言う。今でも言葉の意味としては同じ意味とは思えないのだが、そうこうしている内に逆に一本釣りされて核人材の一人が辞めていくことになった。

結果として、屋台骨をぐらつかせられたのである。「一本釣り」と「壁の下部を掘る」とは現象としてみると違うけれど、結果としては同じことになるから、そういう意味では同じ意味だと言えるのかもしれない。