ふいちゃんの中国日記

文化編/中国の知恵

天然保管庫

2006年1月8日

 いまは城市に住んでいる人でもその親は農村に住んでいる場合が多い。大連近郊はりんごの産地である。そのせいかこの地域の人々はりんごをたくさん食べると聞く。最盛期、開発区ではりんごは1kg3元(約43円)だが、地方へいくともっと安いはずで、半値くらいの可能性がある。このもっとも安い時期に大連近郊の農村では各家庭ごとに大量にりんごを買い込む。毎年、20〜30箱買って土を掘ったムロに保存する。こうしておくと春になるまで保存がきく。このようにして保存したりんごを毎日2〜3個ずつ食べるというのだ。
 11月に、勤める会社がくれた現物ボーナスのりんごはまだ少し残っているが、部屋のなかに置いてあるものだから、腐ってはいないものの全体が柔らかくなっていて味がやや落ちてきた。中国の東北部では一般にこのように土を掘って作ったムロに保存する方法が普及しているようだ。寒さを利用した天然の保管庫である。
 その外、白菜、大根なども同じような保存方法で一冬保存ができると聞く。城市に住む子の世代はときどき里帰りして、この保存してあるりんごや白菜などを持ち帰るのだという。日本でも信越地方や東北地方、北海道では生活の智慧としてこのような保存方法がすでにあるのではないかとそんな気がする。

 【註】
    城市 chengshi チョンシー 都市