ふいちゃんの中国日記

仕事編

助手不得力

2008年11月4日

中国に進出している日系企業は多かれ少なかれ、この問題に直面しているのではないだろうか。積極的に仕事に取り組む人は成長が早い。それは経験を積んでいって、それが雪だるま式に増えていくからである。

逆に仕事に対して消極的な人は仕事を通じて経験を積むことが少ないので、いつまでも現在の位置からジャンプすることができない。

だから、仕事のできる人にはどんどん仕事が入ってきて、いろいろな経験が蓄積し、判断力等も養成されていく。消極的な人からは仕事がどんどん逃げていく。そのため仕事量が減っていって、経験を積む機会もどんどん減っていく。同じ給料なら仕事量が少ないほど「効率がいい」と勘違いしているかのようだ。

1〜2年ではあまり差がつかないが、5年、10年、20年も経つとその差は歴然としてくる。好循環と悪循環との対照である。

少しでも給料がいいと別の企業へ簡単に移っていく中国では、優秀な人の確保は大きなテーマである。日本の親会社へ研修に行かせて、見返りに3年間は会社を辞めないこととかの条件をつけるのもよく採用されている。

給料を多めに出す、というのも一般的だが、わたしはこれは決め手にはならないのではないかと思っている。なぜなら一本釣りにあったら、こんな条件は何の防波堤にもならなくなってくるからだ。しかし、給料が安いよりはそれなりの効果はあるだろう。

人の流動が正常状態では、会社は金を教育投資して従業員を養成しようという意欲が失われる。投資しても回収できなければ意味がないからだ。よその会社のために教育投資する経営者はいないであろう。

【註】
助手 zhu4 shou3 ジュー ショーウ 助手、手伝い、アシスタント(→部下の意味)
不得力 bu4 de2 li4 ブー ダア リー 不+得力で「得力」を否定している。
                  得力:腕利きである。才能がある。頼りになる。
「助手不得力」で「部下が頼りにならない」の意味